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2012.06.10 Sunday

打ち込みの限界

一応打ち込みニストでもあるんですが
打ち込みには限界があるというのを念頭に置くのが打ち込みの上達の鍵なのかなと最近思う。

なんかこれだけテクノロジーが発達しちゃうと
打ち込みで何でも再現できると勘違いしてる人や風潮が目につくけどそんなわけないでしょ(笑)。

結局はCGみたいなものなんだから本物にはなれないし勝てない。
そもそもMIDIっていう超ざっくりした規格で世の中の一流プレイヤーの音を再現できるわけがない。
たかが十万くらいの音源が死ぬほど練習して
さらにちょっとした家が買えるくらいの楽器や機材を使ってるプレイヤーの音に勝てるわけがない。
なので個人的には打ち込みは2流レベルくらいまでがどんなにがんばっても限界だと思っています。
それ以上のクオリティを要求するなら生で!というのが個人的な見解と目安です。
一応自分の名誉のために書いておくと
カスなプレイヤーとダメなエンジニアが録った音よりは全然マシな音は作れる自負が今はあります。
っていうかそうあってほしい(笑)。

限界を知ると書くとなんか妥協みたいに思われそうだけど違うんだよ。
逆に終わりのない泥沼にハマらないために必要な割り切りなんだ。
それが出来ずに泥沼にハマって肝心の制作に悪影響を及ぼしている人をみるともったいないな〜と思う。
(過去の自分もそうでした…)

例えば英語をネイティブ並みに話せるようになりたいという目標を持つのはいいことだけど
そもそも日本にいてネイティブ並みに英語を話せると思いますか?
どんなにがんばっても絶対に日本人的な英語になるに決まってる。
本当の意味でのネイティブになるには言語能力以外にも文化や生活への理解、経験も必須なわけで
英語を学習するときは日本にいつつネイティブ並みに話せるようになるんだっていう
都合の良い幻想を捨てることが第一歩とある人が言っていたんだけどなるほどと思った。
で、ないとどーでもいい発音や文法ばかりに執着して
英語本来のコミュニケーションという目的が疎かになってしまうらしい。
確かにって感じだよね。
打ち込みもそんなある種の割り切りが必要だと思う。
打ち込みがネイティブプレイヤーになるわけがないんだ。

さらに言うと演奏をしない理由や演奏が出来ない理由の正当化や
演奏やプレイヤーへの軽視につながりがちなのが個人的には危険かなと思う。
個人的には下手の横好きでもいいからクリエイターも楽器の演奏はするべきだと思います。
俺もリズムの打ち込みは何気に自信ありますが打楽器やってみたいと最近思ったりするし。

逆にテクノなど生演奏とは対極なジャンルのみに絞って打ち込みを活用している人は潔くて正しいと思います。
生演奏の代替に使うよりも打ち込みの可能性をフル活用しています。
どうせ使うなら人間には出来ないこと、再現出来ないことやらせた方が面白いしね。

なので制作するときもあくまで打ち込みでは限界ありますよ、
なんでも出来る魔法じゃないですよと最近伝えるようにしています。
なんかそれを言わずに
「最近の音源は良く出来ているので生演奏と全く同じクオリティを再現できますよ」
とか言うのってクライアントを騙してるような気がしてね。
そんな情弱を騙そうとするクリエイターは世の中腐るほどいるし
こんなこと書くと俺の打ち込みの仕事が減りそうだけど(笑)
あえて伝えるのもクリエイターとしての誠意かなと最近思います。

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